2022年4月 オンライン解説会


参加者 : 28名
日時
2022年 4月 17日(日) 20:00〜22:00
場所
Zoom会議 (オンライン)
内容
オンライン解説会レポート:佐伯

参加者の全体写真

オンライン解説会レポート:佐伯

はじめに

 勝又先生オンライン解説会レポートの作成を担当しました富士通将棋部所属)佐伯雄一朗と申します。
入社二年目で去年からオンライン例会などの富士通将棋部のイベントに参加させていただいています。将棋歴は15年ほどで高校時代には高校新人戦福岡県代表(ちなみにこの時の全国大会では、富士通将棋部同期の齋藤君に予選で当たりました。)大学将棋では富士通杯や王座戦に九州地区代表
個人戦でも九州地区代表として学生名人戦に出場しました。直近の大会ではアマレーティング戦の神奈川県大会と東京都市圏大会で準優勝しGWにA級代表として三重の全国大会に出場します。
富士通将棋部入部当初からの目標は職団戦のS級での優勝に貢献することです。
長い駄文にお付き合いいただきありがとうございました。

オンライン解説会開催の背景

今回の解説会の背景としましては1週間後に控えた職団戦交流会に向けた事前対策として開催していただきました。私自身も職団戦交流会に向けて気合が入っておりこの解説会でより多くのものを吸収しようと思いました。なお、今解説会は交流戦に参加しない方も参加可能で関東から中部地区、関西地区など幅広い地域から参加していただきました。

1.トマホーク対策

最初はトマホーク対策講座でした。筆者である私自身も居飛車党で振り飛車相手にはほとんど居飛車穴熊に組んでおり毎週金曜日のオンライン例会では足立さんと相穴熊の死闘を繰り広げています(笑)。
そんなトマホークの対策として挙げられたのが以下の通り

@5筋をついて上部を盛り上げる指し方
A94歩に対し96歩と受ける指し方
B66銀型穴熊を目指す
Cそもそも穴熊に組まない

主に筆者の考えを述べさせていただきますと@に関しては私がトマホーク対策として最も用いている作戦でこの作戦は57銀から66銀と上部を手厚くしBと同じ意味合いになりますが角筋を遮断して堅く深く囲えます。Aは対三間だけではなく対振り全般で私はやっていますが端を突き合うことで自玉の懐を広げ端攻めの威力を緩和する狙いがあります。

2.三間対急戦

次は広瀬さんの質問で三間対急戦でした。三間に対して勝又先生はエルモを指すそうで私は専ら穴熊ですがエルモも気分によって指すことがあります。
勝又先生のお話では三間飛車側の作戦としては57銀〜67金型が優秀とのことでエルモ右四間飛車の破壊力のある作戦に強いとのこと。45歩と攻めてくれば35歩と反撃して振り飛車よし。また、45歩急戦は32金と上がっておけば収まり緩やかになるとのこと。

3.相がかり

岡山さんの質問で以下の3つの戦い方があげられました。

@角換わり調の将棋にする
A角換わりにしない場合雁木調の将棋にする。
B端歩を突き合って銀冠に組む。

@の角換わりにする指し方は62金〜81飛車の形に組んで待つ指し方があげられ実践例として金井ー中村太戦の将棋があげられました。Aの雁木調の将棋は私も前回の勝又先生の講座を参考に採用させていただいている指し方で33角と守らず22角のまま戦い棒銀に備える指し方です。
Bは難しく非常にいい勝負とのこと。

4.相穴熊の名局

私佐伯のリクエストである相穴熊の名局。相穴熊は私が得意とする将棋で、毎週金曜日のオンライン例会で足立さんと死闘を繰り広げております。直近の対局は伊藤匠ー今泉戦。相穴熊の将棋で重要になってくるのは、なんといっても速度計算。今泉玉がZの形で伊藤玉は詰めろが続きそうで伊藤先生がピンチに見えたがここで相手の攻めを遅らせる銀捨てが印象的でその一手で流れが変わったところに感銘を受けました。二局目は羽生ー藤井猛戦。お互い固い穴熊が残っているが羽生先生の方が駒がさばけておらず藤井先生完封かと思ったところ、あっと驚く一手が羽生先生にありました。
それが相手玉からはるかに遠い23の地点に持ち駒の金を打ち駒の補充を試みた一手でした。
そこから藤井先生がミスを繰り返した結果羽生先生が勝ち切ったようですが、あの金は羽生先生だったから打てた金だと思います。また、対局後、藤井先生はあまりの悔しさに駒を盤にぶつけたという逸話があるようです。

5.切れ負けなどの早指し戦の戦い方

最後に職団交流戦目前だったため切れ負けの戦い方についてのお話がありました。
取り上げていただいたのは、直近であったアベマTVでのアゲアゲさんこと折田先生対勝又先生の対局。
折田先生のパックマンの出だしから意表をついてきたようですが勝又先生は振り飛車には何が何でもエルモと決めているらしく初手66歩の挑発には乗らずにいつも通りの指し回しで有利に進んだものの自玉の安全度の計算に誤算があり寄せられて負けてしまったとのことです。早指し戦での心得は以下の通り

@何も考えず見慣れた形に持っていく
A相手の土俵に乗らない
B終盤になったら自玉を見る
C作戦だけは決めておく

以上を踏まえて今後も精進していきましょう。

6.最後に

この度は勝又先生のオンライン解説会という素晴らしい機会をいただき誠にありがとうございます。
おかげさまで勝又先生から多くのことを学び今後の活動に大きく活かすことができそうです。
解説会を開いてくださった勝又先生並びに企画してくださった、鵜木さん、司会進行の島さんありがとうございました。


2022/5/10 記:佐伯

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